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活動レポートReport

2019.07.22

5月14日 松蔭塾 第2回 政策検討ディスカッション 東京開催

第2回 政策検討ディスカッション
『中国電子商取引法の施行とインバウンド 需要対応のあり方』
~「爆買い」の終焉と中国市場への参入戦略~

2017年の中国における年間EC取引(B to B取引を含む)の取引合計額は29兆1600億人民元(約500兆 円)に達した といわれ、中国のEC業界は近年急成長を遂げています。他方で、模造品の流通を指摘さ れることも多く、また、ECプラットフォーム事業者と当該プラットフォームに出店する事業者の法的 関係性や、それぞれが消費者(ユーザー)に対してどのような法的責任を負うのかといった点が不明 瞭でした。これを受けて、全人代常務委員会で検討され、2018年8月31日に本法が成立し、2019年1月1 日に施行されました。これにより、消費者の生命や健康に関わる商品・サービスについて、「電子商 務プラットフォーム経営者」が「出店者」の資質や資格について審査を尽くさず、消費者に損害を与 えた場合、消費者に対する安全確保の義務を怠ったとし、「電子商務プラッ トフォーム経営者」が責 任を負うこととなります。また、知的財産権を侵害していたり、模倣品を販売している「出店 者」を 放置した場合、日本円で約800万円から3,200万円 の制裁金が課されます。 この法律の施行により、代理購入業者による出品が困難になり、今年に入り「爆買い」はすっかり なりを潜める結果となりました。偽物の流通が規制され正常化されていく中国のEC市場は、日本企業 にとっても魅力ある市場へと変貌しつつあります。しかし、その参入には未だ多くの参入障壁がある のも現実です。リスクヘッジをしながら市場への参入を実現するスキームを検討し、巨大中国消費市場へのアプローチ方法を検討しました。